わたしの自然栽培農法

現在の栽培方法は大きく慣行農法(非有機栽培)とJAS認定でお馴染みの有機農法の二つに大きく分かれ、そのほとんどは慣行農法でおこなわれています。つまりは、農薬、化学肥料、除草剤、殺鼠剤等を使用してもよい栽培法といえましょう。
よって、有機栽培支持者の方々は、慣行農法が人体にとって有害さらには危険といって有機栽培を差別化しようしているように見受けられます。
わたしの考えは少々ちがいます、日本の慣行農法は世界的にみても安全に間違いありません、それは既に科学的に十分証明されていることなのです、最も良い例は、中国や東南アジアの富裕層はこぞって日本の農産物を購入しています。彼らの情報ネットワークはご存知のとおり日本それを大きく凌駕しています。
したがいまして、安全性という観点からは有機、慣行と騒ぎたてるのには賛成しかねます。

有機農業とは自然の仕組みにできるだけ逆らわず、生き物、特に微生物の力を生かすことを重視し、つまりは、『生き物の多様な仕組みを生かす農業』と定義されます。
当然のことながら、生きとし生けるものはすべて単独では生きられません、動物(肉食獣)と動物(草食獣)、動物と植物、植物どうし、植物と土の中の微生物、それぞれ複雑に相互に影響しあい共生しています。私たち人間は肉眼で見える部分に関心がいき勝ちですが、土壌の中にこそわたしたちの知らない大宇宙が存在していることが除々にではありますが分かり始めています。たった1gの土壌のなかにその役目が分かっていない微生物が5兆個も生きているのです。そのなかで、たとえば、植物の根に棲み付き、植物から炭水化物をもらいながら、土壌の有機物を分解し窒素などの養分を根に供給している微生物がいます、最近の研究では、ブルーベリーはエリコロイド菌根菌との共生関係が明らかにされました。
ブルーベリーが他の植物と違い強酸性でなければ生育できないのは、進化の過程でこのエリコロイド菌根菌が強酸性に生きる活路を見いだしたからです。
それでは、自然農法と有機農法との違いは???自然栽培は当然ながら農薬、化学肥料、除草剤、殺鼠剤等は使用しません。それではどこが違うのか、
当ファームでは5月から8月ごろ、足長バチが20〜30箇所ブルーベリーの木に巣をつくります、毎年20〜30箇所です、増えせず減りもせず

1、有機農法では農薬が認められていないので人手により巣を取るか壊す
2、慣行農法では商業的大規模経営なので、人海戦術は採用できず、簡単な殺虫剤の散布によるせん滅
3、わたしの『自然農法』 そのまま自然に営巣させる
なぜ、そのまま営巣させるのか疑問におもわれる方も多いことでしょう。
それでは、わたしからの質問ですが、この足長バチは当ファームにてどのような役割をはたしているのでしょうか?
多くの方は「蛾や蝶の幼虫を駆除してくれる益虫だから」とお思いになられたのではないのでしょうか、わたしの考えは少々ちがいます、わたしは ここの生態系で「どのような役割をしているのか分からないから」が結論です、益虫説を採らないのは、当ファームは2013年マイマイガの大量発生に大変なやまされました、言い換えれば、足長バチの餌が大量の上にも大量にあったわけです、巣も当然大きくならなければなりません、しかしながら、巣の大きさは例年と全く同じでした。
みなさんもご存知の『奇跡のリンゴ』で木村 秋則さんが、二十星テントウムシは餌が少なくなるとリンゴをたべるので害虫・益虫を簡単にわけられないと述べておられますが 当ファームでも二十星テントウムシが美味しそうにブルーベリーをたべていました。
事実は、毎年必ず足長バチが20〜30個営巣すると言う事実です、別の言い方をすれば当ファームの自然環境は足長バチの巣が20〜30個を必用としているとしているのです。
もしこの巣を破壊すると、生態系がキズつけることになるのです。
そのまま自然に営巣させるのは、当ファームの生態系を守るためです。

この自然栽培についてお伝えしたいことが山ほどあるのですが、ここではアシナガバチを一例にしてお話しました。自然栽培とことさら大上段にかまえるつもりは全くあるません。そもそも、既に畑にしているということは、大自然の生態系とは全く、多様性にとぼしい弱々しい生態系なのです、こちらの都合で畑にした罪滅ぼしがわたしの『自然栽培農法』なのです。

※アイナガバチは、巣に触れない限りは人を刺すことはありません、現在、益虫ということで駆除しない市町村も増えているようです。
※慣行農法と有機栽培、農薬を使用しないことについて、久松 達央著『キレイゴトぬきの農業論』がとても参考になりました。

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